このブログでは、最新の「林業従事者数」「高齢化率と若年者率」「新規就業者の推移」「林業の労働環境」、そして「森ジョブの役割」について執筆します。
林業従事者数
国勢調査(総務省)によると、 林業従事者の数は長期的に減少傾向で推移しており、令和2年(2020年)には44,000人となっています。
1985年から35年のあいだに、その数は35%ほど減っています。
高齢化率と若年者率
林業の高齢化率(65歳以上の割合)は、令和2年(2020年)は25%で、全産業平均の15%に比べ高い水準にあります。
一方で、若年者率(35歳未満の割合)は、全産業が減少傾向にあるのに対し、林業では平成2年(1990年)以降増加傾向で推移し、令和2年(2020年)には17%となっています。
新規就業者の推移
新規就業者数は、「緑の雇用」事業を実施する以前は年間平均約2,000人であったものが、事業がはじまってからは年間平均約3,200人にまで増加しています。
令和3年度(2021年度)は3,043人となっています。
このような状況を鑑み、2021年6月に閣議決定された「森林・林業基本計画」では、10年後の木材供給量を約1.4倍にする目標が掲げられています。
2030年に必要とされる林業従事者は4.3万人程度なので、今後ますます林業の労働力を求める傾向が強くなることが予想されます。
林業の労働環境
林野庁の「一目でわかる林業労働」のデータを見ると、林業の労働環境が少しずつ改善されていることが分かります。
まずは労働災害。
林業の仕事はキツイ・汚い・危険なイメージがつきまとい、災害発生率も全産業の約10倍という数字をたたき出しているものの、労働災害は長期的に見ると減少しています。
森ジョブが毎月開催している「林業就業オンライン相談会」において、よくある質問項目である給与に関しては、全産業が458万円に対し、林業の平均給与は361万円です。
この数字を多いと見るか少ないと見るかは個々のライフスタイルによりますが、「空き家」や「移住支援金」を活用するなどして、田舎暮らしをはじめることもできるのです。
また、20歳未満から65歳以上の給与の推移を見ると、大きな増減がないことがわかります。
(他の産業は65歳以上になるとガクッと下がります。)
体力と健康があれば、長く働ける仕事であることがわかります。
その他の改善点を挙げると、今から40年ほど前は日給制が96%と大半を占めていましたが、近年は66%にまで減り、30%以上が月給制を採用しています。
毎月給与が支給されることで、将来設計もしやすくなりますね。
社会保険等の加入割合も約8割に上昇し、
年間労働日数も、210日以上(年間休日150日程度のイメージ)が約7割に上昇しています。
森ジョブの役割
”森ジョブ”の愛称で親しまれている「森のジョブステーションぎふ」は、岐阜県美濃市を拠点に、林業への就業を目指す方々や林業に携わる方々を支援する総合窓口としてさまざまな取り組みを行っております。
■森林技術者の確保
・林業就業相談(毎月開催している個別オンライン相談会)
・セミナー、ガイダンス開催(東京、大阪、名古屋、岐阜各地の施設や高校・大学にて開催。)
・林業体感、見学ツアー(岐阜県内の林業の現場を体感するツアー。随時開催。)
・林業就業支援講習
・求人情報の発信
・求人、求職者のマッチング支援
・移住支援の紹介
■森林技術者の育成
・森林技術者の研修:フォレストワーカー研修(新規就業者の育成)、フォレストリーダー研修(現場指導者の育成)
・新規就業者への支援:資格等の取得支援、安全装備品等の購入支援
林業への外国人材の受け入れ拡大に向けた新たな枠組みが整いつつある今、一層人材確保・育成につながるような取り組みを続けてまいります!
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出典元:林野庁(参考)就業環境を取り巻く状況 資料:一目でわかる林業労働(PDF : 728KB)
(記載データは林野庁経営課林業労働・経営対策室に許可を得て掲載しております)