【林業経営者必見】人手不足と離職を防ぐ鍵「持続可能な組織づくり」と「従業員エンゲージメント」

セミナー

「せっかく採用した若手がすぐに辞めてしまう…」
「求人を出しても人が集まらず、現場の負担が増えるばかり…」

このようなお悩みを抱える林業・一次産業の経営者や人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
全産業で人手不足が深刻化する中、林業分野においても担い手の確保は喫緊の課題です。

本記事では、岐阜県森林公社(森のジョブステーションぎふ)主催の雇用管理改善研修会「持続可能な組織づくり(株式会社エス.ピー.ファームさま)」の資料をもとに、離職を防ぎ、組織を強くするための具体的なノウハウを解説します。

1. 林業が直面する「3年で3割が離職」という現実

林業分野では、新規就業者の約3割が3年以内に離職しているという現状があります。
繰り返し人材育成を行っても、すぐに辞めてしまっては即戦力となる人材が育たず、企業にとって大きな負担になってしまいます。

長く勤めてもらうためには、単に人を採用するだけでなく、「持続可能・成長可能な組織をつくるための努力や工夫」が不可欠です。

2. 離職を防ぐ最大のカギは「従業員エンゲージメント」

成長している林業事業体が取り組んでいるのが、従業員エンゲージメント(engagement)の向上です。

従業員エンゲージメントとは、会社と従業員が「信頼できる関係」の中にあり、従業員が「自発的・意欲的に働きたいと思うこと」を指します。
エンゲージメントが高まることで、会社に対する誇りや仕事に対する誇りが生まれ、結果として「働きやすさ」と「働きがい」の両立に繋がります。

3. 「働きやすさ」と「働きがい」は別物!二要因理論で考える組織改善

組織を改善する際、心理学者ハーズバーグの「二要因理論」を知っておくことが非常に重要です。

①「働きやすさ」を整える(衛生要因)

労働時間、休日、給与、職場環境などの「働きやすさ」は、不足すると従業員の不満に直結します。

安全衛生管理: 法律の遵守、安全装備着用の徹底、メンタルヘルスケア。
給与・福利厚生: 能力に応じた賃金制度、各種休暇(有給、育児など)、各種手当の充実。

ただし、これらを整備して不満を解消しても、それだけで「満足(働きがい)」を生むわけではない点に注意が必要です。

②「働きがい」を高める(動機付け要因)

従業員の満足度を高めるには、責任、努力や成果を認めること、成長の実感などの「働きがい」を提供する必要があります。

上手な褒め方: 抽象的ではなく具体的に「何がどのように良かったのか」を褒める。皆の前で褒めるか、個別に褒めるかを見極める。
能力評価制度の導入: 評価した結果を給与や手当に反映させ、ステップアップに向けた目標設定を行う。

4. 成果を出す「チーム」と「コミュニケーション」の秘訣

雇用管理改善研修会のグループワークは発表会の様子

グループワーク発表会の様子

従業員が定着する組織では、単なる人の集まり(グループ)ではなく、共通の目的に向かって進む「チーム」が機能しています。
成果を出すチームは、全員がチーム視点を持ち、相互にフィードバックし合える関係性が特徴です。

報連相(ほうれんそう)を「罰ゲーム」にしていませんか?

上司にとっての報連相は「進捗確認」や「部下の心理状況を知る」ためのものですが、部下にとっては時にプレッシャーとなります。
もし、部下がミスを報告した際に頭ごなしに怒鳴ってしまうと、部下は「報告したら怒られる」と感じ、ミスを隠すようになったり、最悪の場合は仕事を辞めてしまったりします。
「報連相をすることは良い事・褒められる事」と思える環境やルール作りが必要です。

信頼関係を築く「雑談」の力

コミュニケーションを高める上で見逃せないのが「雑談」です。雑談には、相手の警戒心を解き、共通点を探す効果があります。

雑談のコツ: 「天気」「気候」「地域の情報」など誰もが知る話題や、相手の些細なポジティブな変化から始めるのが有効です。
「さ・し・す・せ・そ」の活用: 「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいいですね」「そうなんですか」といった相槌を活用することで、相手への気づきが生まれ、雑談力が高まります。

5. 2040年問題を見据えた「これからの林業」

今後は、団塊の世代が75歳以上となり、2040年には生産年齢人口が急減する深刻な問題が控えています。
これからの林業事業体は、以下のような新しい働き方改革に挑戦していく必要があります。

スマート林業・ICT化の推進
女性やシニア世代の参画
外国人材の活用

自社だけで悩むのではなく、地域や他職種とのネットワークを強め、孤立しない経営を目指すことも重要です。

まとめ:経営者からの「歩み寄り」が持続可能な組織をつくる

従業員エンゲージメントを高め、離職を防ぐためには、「働きやすさ(環境整備)」と「働きがい(承認や成長)」の両輪を回すことが不可欠です。
自己分析を行う際、「経営者側の見方」と「従業員の見方」にはギャップがあることを認識し、まずは従業員の思いや考えを大切にする「対話(面談や雑談)」の機会を増やすことから始めてみてはいかがでしょうか。

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