【開催報告】人手不足の時代、林業はどう生き残るのか ― 森ジョブ主催「雇用管理改善研修会」

主催イベント

「人がいないから仕方ない。」

林業の現場で、そんな声を耳にする機会が増えています。

少子高齢化の進展や生産年齢人口の減少により、林業をはじめ多くの産業で人材不足が深刻化しています。
特に林業は、地域の森林を守り、未来へつないでいくために欠かせない仕事である一方、担い手不足という大きな課題に直面しています。

しかし、本当に人材不足は社会情勢だけが原因なのでしょうか。

働く環境や安全対策、給与体系、人材育成の仕組み、そして情報発信。
事業体自身が見直し、改善できることも少なくありません。

そんな課題に向き合い、林業事業体とともに解決策を考えるため、森のジョブステーションぎふ(森ジョブ)は、令和8年6月10日、岐阜県美濃市にある中濃総合庁舎にて「雇用管理改善研修会」を開催しました。

テーマは、

「人手不足の中で生き残っていくために 今何をすべきか」

岐阜県内の林業事業体の経営者や人事担当者など約40名が参加し、人材確保・定着・育成について学びを深めました。

林業の未来を左右する「人材確保」という課題

研修会の冒頭では、森ジョブ事務局長の渡邉があいさつを行いました。

渡邉は、林業を取り巻く厳しい雇用情勢について触れながら、「人材確保は今や林業経営における最重要課題の一つ」と説明しました。

一方で、人材不足の原因を社会情勢だけに求めるのではなく、事業体側の雇用環境や職場づくり、情報発信のあり方などにも目を向ける必要があることを強調。

森ジョブが取り組む雇用支援は、単なる求人紹介ではなく、林業事業体が“選ばれる職場”になるための支援でもあることを伝えました。

そして、「この研修会が、参加された皆さまにとって次の一歩を踏み出すきっかけになれば」と期待を込めて開会しました。

「選ばれる会社」になるために必要なこととは

最初の講義では、株式会社ピースマネジメント代表取締役の江越卓真氏を講師に迎え、「林業経営体における人材確保・定着の実践戦略」をテーマに講演いただきました。

森林組合や林業事業体の経営改善支援を全国で手掛けてきた江越氏は、多くの現場で見てきた事例を交えながら、人材不足時代に求められる経営のあり方について解説しました。

印象的だったのは、

「採用できないのではなく、選ばれる会社になれているかを考える必要がある」

という視点です。

求職者が企業を選ぶ時代だからこそ、給与や休日だけでなく、職場の雰囲気や成長できる環境づくり、経営者の姿勢なども重要な要素になります。

参加者は、自社の現状と照らし合わせながら熱心に耳を傾けていました。

求職者は会社の何を見ているのか

続いて、森ジョブの広報担当・村井が「人の集まる会社は何を見せているのか?」をテーマに講義を行いました。

近年の求職者は、求人票だけを見て応募するわけではありません。

ホームページやSNS、インターネット上の情報を通じて、

・どんな人が働いているのか
・どんな職場なのか
・将来性はあるのか
・自分に合う会社なのか

を確認しています。

つまり、良い会社であることと、その魅力が伝わっていることは別の話です。

どれだけ魅力的な職場でも、伝わらなければ選ばれません。

村井からは、林業事業体が発信すべき情報や、採用活動において意識したいポイントについて説明が行われました。

採用サイトは「会社の顔」

続いて、株式会社中日アド企画岐阜支社の光井貴史氏による講義が行われました。

テーマは、

「採用難時代に効く、Webサイトの見せ方・伝え方」

です。

光井氏はウェブ解析士としての知見をもとに、実際のデータや事例を交えながら、求職者に伝わるホームページづくりについて解説しました。

求職者が最初に会社を知る入口は、ホームページであることも少なくありません。

だからこそ、

・仕事内容が伝わるか
・働く人の姿が見えるか
・会社の強みが分かるか
・更新されているか

といった点が重要になります。

「ホームページは作って終わりではなく、育てていくもの」

そんな言葉が印象に残る講義となりました。

求人票は“募集広告”ではなく“会社紹介”

研修会の最後は、森ジョブの藤掛と村井による「戦略的求人情報」の講義です。

求人票というと、仕事内容や給与などの条件を掲載するものというイメージがあります。

しかし、人材不足が進む今、求人票にはそれ以上の役割が求められています。

求職者が知りたいのは、

・なぜこの会社で働くのか
・どんな人たちと働くのか
・どんな成長ができるのか
・将来どんなキャリアが描けるのか

ということです。

講義では、応募につながる求人情報の作り方や、自社の魅力を伝えるポイントについて具体的に紹介しました。

参加者からはうなずきながらメモを取る姿も多く見られ、自社の採用活動を見直すきっかけとなったようです。

活発な質疑応答で見えた参加者の本気度

研修の終了後、質疑応答と個別相談のため講師のもとに人が集まりました。

採用活動や若手の定着、人材育成、ホームページの活用など、多くの質問が寄せられ、予定時間いっぱいまで活発な意見交換が行われました。

参加者一人ひとりが、自社の課題を真剣に考え、改善に向けたヒントを探している様子が印象的でした。

森ジョブが目指すのは「人が集まり、育ち、定着する林業」

森ジョブは、林業への就業を希望する方と事業体をつなぐだけの存在ではありません。

岐阜県の林業が持続的に発展していくためには、人材を確保するだけでなく、育て、定着してもらうことが欠かせません。

そのために森ジョブでは、

・人材確保支援
・採用力向上支援
・雇用管理改善支援
・人材育成支援
・情報発信支援

など、林業事業体へのさまざまなサポートを行っています。

今回の研修会も、その取り組みの一つです。

おわりに

人材不足は、一つの研修会で解決できるほど簡単な課題ではありません。

しかし、課題を正しく理解し、できることから改善を積み重ねることで、未来は変えていくことができます。

今回の研修会が、参加された事業体の皆さまにとって、新たな気づきや行動につながる機会となっていれば幸いです。

森ジョブはこれからも、岐阜県の林業を支える皆さまとともに、「人が集まり、人が育ち、人が定着する林業」の実現に向けて取り組んでまいります。

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執筆者:森ジョブ広報担当