山と向き合い、木と語る──岐阜の林業チーム「スーパーホモサピエンス」の挑戦

林業会社/森林組合

岐阜県白川町。
深い山々の中に、ひとつの林業チームが静かに、しかし確かな存在感を放っています。

その名はスーパーホモサピエンス

一見ユニークな社名の裏には、自然と人、そして歴史と向き合う覚悟が込められています。

林業との出会い──自然と関わる仕事の選択

「1本軸として考えていたのは、自然とかかわれる仕事だった」

と、専務の田村さんは語ります。
山と人が交わる場所で仕事をする──それは単なる作業ではなく、森と向き合う生き方です。

スーパーホモサピエンス 専務 田村啓(たむら あきら)さん

スタッフの中山さんは25歳の頃、長野県のブドウやリンゴ農家で働いていました。
しかし、町や隣家が気になり、田舎に戻る決意をしました。

「山にいたい。田んぼや畑と、1年中 山でできることをやりながら、たまに山の仕事を手伝う。それが自分の生き方だ」

林業とは、ただ木を切るだけではない──生活と山、そして心をつなぐライフワークなのです。

スーパーホモサピエンス スタッフ 中山英典(なかやま ひでのり)さん

特殊伐採──木の歴史を理解することから始まる

代表の加藤さんは言います。

「特殊伐採で木を切るとき、その木の状態や歴史をイメージできて初めて仕事ができる。木の懐を借りる感覚がある」

木と向き合うその姿勢には、畏怖や尊敬とは違う、独自の哲学が息づいています。

スーパーホモサピエンス 代表取締役 加藤佑基(かとう ゆうき)さん

従業員の三尾さんも語ります。

「木も人も石も土も、あるべき姿に落ち着かせる。それが自分の仕事」

造園で培った感覚を活かし、作為的ではない自然の美を尊重しながら、林業の現場で活かしています。

スーパーホモサピエンス 三尾真寛(みお まさひろ)さん

高所作業とジレンマ──切りたくない木ほど魅力的

特殊伐採や空師(※空師:高い木に登って枝や幹を伐採する職業)としての仕事は、高所作業が基本です。
「大きい木を切るときは達成感がある。
でも、あまり切りたくないジレンマも常にある」と三尾さんは言います。

伐採は単なる労働ではなく、計算と創意工夫のゲームのようなもの。
木のラインを読み、倒れる方向を設計し、チームで完璧に実行する。
その快感は、他では味わえません。

チームワーク──山で息を合わせる

現場には、社長の加藤さん、専務の田村さん、従業員の三尾さん、スタッフの中山さんの4人が集まります。
8時に「危険予知ミーティング」を行い、12時に昼休憩を取り、17時に作業終了。
その一日のリズムは、森の呼吸に合わせるかのように整っています。

仲間同士の呼吸はぴったり。
「チェーンソーの振動も、ロープワークの緊張も、仲間となら楽しい」


林業は孤独な作業ではありません。
チームワークの中で、山と対話し、木と向き合う──それが岐阜県で生きるフォレストワーカーの醍醐味です。

まとめ──林業の魅力は「知性と挑戦」にある

岐阜県の山間で活躍するスーパーホモサピエンス。
フォレストワーカーとして、空師として、特殊伐採に挑む彼らの仕事には、単なる体力仕事を超えた知性、哲学、創意工夫が詰まっています。

「森と人とのあいだに橋をかける」──この言葉こそ、現代林業の新しい姿なのかもしれません。
自然と向き合う仕事に興味がある方、山の中で生きる挑戦を求める方に、スーパーホモサピエンスの現場は、きっと心を打たれるでしょう。

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