こんにちは!森のジョブステーションぎふ、通称「森ジョブ」です。
森ジョブは、岐阜県の林業に特化した無料職業紹介所として、ぎふ林業の担い手確保や育成・キャリアアップを一貫してサポートしています。
令和6年度に開所7年目を迎え、8月現在の相談対応件数は延べ2,800件を超えました!
このブログでは、森ジョブが毎月開催している「林業就業オンライン相談会」や岐阜県各地で開催するハローワークと連携した「ミニセミナー」、そして東京・大阪・名古屋で行われるセミナーやガイダンスでのご相談の中から、<よくある3つの質問>についてお答えしたいと思います。
【目次】
①林業とは
②林業の仕事内容
③林業従事者の年収など
林業とは
森づくりの主な作業
林業の仕事は、「苗を植える→育てる→伐採する→木材を収穫する」というサイクルを長い年月をかけて行います。
このサイクルを絶やさないことで、水が育まれ、生物多様性が保全され、そして地球温暖化や自然災害の防止につながっていきます。
つまり林業は、森林の循環を担う大切な役割を担っているのです。
森づくりには、主に8つの作業があります。
1.地拵え:伐採後、散乱した枝葉や残木を集積して苗を植える準備をします。
2.植栽:苗を植えます。場所により獣害対策も行います。
3.下刈:苗木の生育を妨げないよう、まわりの雑草木を刈り取ります。
4.除伐:植えた木の生育を妨げる雑木や、曲がったり成長の悪い木を除去します。
5.枝打ち:節のない上質な木を育てるために、下枝を切り落とします。
6.間伐:健全な森林に導くために、曲がったり成長の悪い木や混みあった木を間引きします。
7.主伐:木材として利用するために木を伐採します。
8.造材・搬出:伐倒木を規定の長さに切って丸太にし(玉切りと言う)、林道端などに運びます。その後、運搬→販売されます。
時代はスマート林業へ!
今、林業の現場では、高性能林業機械が活躍しています。
従来はチェーンソーなどの機械を使っていましたが、高性能林業機械の導入によって生産性や安全性が向上するとともに身体への負担も大幅に軽減されています。
3次元計測システム(地上レーザー測量OWL)、ラジコン草刈り機による下刈り作業、ドローンによる資材運搬など、林業の働き方は日々進化しています。
ここで、林業の現場で使われている高性能林業機械についてご紹介します。
プロセッサ:伐倒された木材を枝払い(枝を切り落とすこと)して、規定の長さに切断する機械。
タワーヤーダ:人工支柱を装備して架線(空中にワイヤーロープを張る)により、伐倒した木材を林道や土場まで集材する機械。
スイングヤーダ:アームをタワーとして、架線により伐倒した木材を林道や土場まで集材する機械。
フォワーダ:木材をグラップルクレーンで荷台に積んで、作業道などを運ぶ機械。
ハーベスタ:立木を伐倒・枝払いして、規定の長さに切断する機械。
参照:林業とは | 森のジョブステーションぎふ|岐阜の林業を知るポータルサイト (m-job.net)
林業の仕事内容
林業には「フォレストワーカー」と「プランナー」の仕事があります。
フォレストワーカー(林業作業士)
フォレストワーカーの主な仕事は、木を植え・育て・切り・生産することです。
具体的には下記になります。
造林作業
植栽、下刈、間伐、枝打ちなどの作業をします。
木材生産作業
利用間伐、主伐などの木材生産、造材、搬出などを行います。
※伐採・集材・運搬に高性能林業機械が導入されたことで生産性や安全性が向上し、作業者の負担も大幅に軽減されています。
プランナー(企画・調整担当)
プランナーの主な仕事は、地域の森林所有者をとりまとめたり、まとめた森林を森林所有者に代わって調査・計画・管理することです。
具体的には下記の仕事があります。
森林施業プランナー
・森林所有者に集約化施業の提案と合意形成や施業の受託をし、森林経営計画の作成などを行います。
・森林の持続経営や公益的機能の重要性に基づき森林施業の方針を固め、地域における森林整備事業をバランスよく企画・実践します。
森林整備・木材生産
・森づくりのプランナー(計画・交渉)
・木の苗を育てる(育苗)
・木を植え育てる(育林)
・山に道を開く(路網開設)
・木材を伐る(伐採・生産)
・木材を運ぶ(運材・運送)
・木材を売る(市場・取引き)
・獣害防止対策をする(食害防止)
・森林クレジット販売(J-クレジット等)
調査・研究、教育・行政
・森(林業)を教える(学校、NPO)
・森林を調査・計測(コンサルタント)
・森林の行政(国・県・市町村の公務員)
加工・生産
・木材を加工する(製材)
・製品を作る(設計・建築・木工・製紙)
・燃料を作る(炭・薪・チップ)
・エネルギーを作る(バイオマス発電・熱)
・食料、資材を作る(きのこ資材・堆肥)
・きのこ等を生産する(林産物生産)
ちょっと余談ですが、岐阜県には林業の事業者が約150以上もあり、森林組合と林業関連の企業があります。
森林組合
・森林組合法によって設立された、地域の森林所有者による協同組合。
・活動エリアは市町村単位が基本
林業会社
・会社法によって設立された、株式会社、合名会社、合資会社および合同会社など。
・会社や個人事業主が多い(林業専業だけでなく、特殊伐採、街路樹・公園樹木管理・除草作業、木製品製造、土木建設、環境関係など様々な仕事を行う会社がある)
・活動エリアは地元から全国規模までさまざま
森林技術者として働くには、森林組合や会社等に所属して働くことが一般的です。
林業従事者の年収など
林業従事者の平均年収は、林野庁のデータ(参照1:就業環境を取り巻く状況 資料 一目でわかる林業労働)によると360万円と言われています。
参照2: 🌳林業労働力の動向🌳 | 森のジョブステーションぎふブログ
給与(初任給)について森ジョブ求人のデータをまとめたところ、平均月給19万2,000円、平均日給9,400円(令和6年7月現在 30事業体)となりました。
給与形態は、月給制が約5割(16社)、日給制が約4割(11社)、日給月給制が約1割(3社)でした。
林業への就業はほどんどの方が未経験からのスタートとなるため、いきなり満足のいく給与が支給されることはないと思いますが、経験を重ねることで徐々に上がっていきます。
事業体が求める年齢は、未経験者で40歳以下や45歳以下が多く、50歳以上の未経験者は要相談のうえ決定する場合が多い状況です。
ですが、体力とやる気、外仕事経験者、重機操作の経験があると就職に有利なことは確かです。
普通自動車運転免許は、AT限定免許よりMT車の乗れる免許所有者が求められます。
林業従事者は、チェーンソーや刈払機等の道具を持って山の斜面を上り下りする体力がいる仕事です。
就業時間は、事業体や季節、現場によって変動はありますが、8-17時がコアタイムのようです。
福利厚生や休暇は、一般企業と同様、福利厚生、賞与、昇給、通勤手当、退職金等が保障されているケースがほとんどです(※各事業体の「待遇」をご確認ください)。
また、事業体によっては就業後の資格支援、キャリアップ支援、防護服等の購入補助あるなど、未経験の方でも安心して就業できる体制が整っています。
さらに、岐阜県には林業就業移住支援金制度があります(市町村ごとに異なりますので、お確かめください)。
〇移住関係の情報はこちらをご覧ください